2012年7月30日月曜日

屏風の修復2

以前屏風の修復の記事を書きましたが、本日はその続きの作業をご紹介いたします。

大学院生、学部生に屏風の骨に和紙を張る作業まで手伝ってもらい、両面に和紙を張ったものが6枚できたところで前期の授業が終了しました。

次はこの6枚を屏風の形に繋げていきます。

まず、もともと榾についている(昔の職人が付けた)鋸の印を合わせて2枚ずつ一組にし和紙でつけます。和紙蝶番を組むことで屏風は360°開きます。

和紙蝶番のための羽をつけています。
 この作業を繰り返し2枚ずつ×3作り、それをさらに同様の方法でとめていきます。

2曲ずつセットになった6曲


6曲屏風の形になったものに表紙を貼り、表紙を貼り終えたら裏紙を貼ります。

表紙をはったところ



6曲つながった状態で表紙と裏紙を貼るのはなかなか大変な作業でした。



まだこの状態では背の部分が汚いので、次はここに尾背を貼ります。その後は筋や裂を貼り、本紙を貼って、枠をつけて完成です。

まだ道のりは長いので、時間を見つけて続けていきたいと思います。



2012年7月24日火曜日

予算申請説明会

本日来年度予算申請のための説明会が開かれ、助手が参加してまいりました。

博物館学では実習教材などを申請し購入いたします。
学内実習を行っております博物館実習Ⅳでは毎年150名程の学生が履修し実習を行いますので、機材の消耗も早いようです。

充分な量を確保したつもりでも不足することも多々あるため、助手としては予算の申請、物品の購入、そして授業での物品の減り具合は日々気を使っております。

2012年7月21日土曜日

前期 博物館学特別講義

本日は前期分の補講として「博物館学特別講義」を文化庁の建石徹先生を講師に迎え開催いたしました。

保存科学についてのお話を中心に、建石先生が担当なさった高松塚古墳やキトラ古墳の壁画のお話、文化財レスキューの現状などの学内ではなかなか聞けない貴重なお話を伺うことができ、学生も大変勉強になったようです。

講義の様子
お忙しいところ講義を快く引き受けてくださった建石徹先生に心より感謝申し上げます。

2012年7月7日土曜日

屏風の修復

土曜日の午後や空いた時間などを利用して私の母の実家の屏風の修復を行っています。

ネズミや虫が多く生息し、更には雨漏りもする倉庫に長い間置かれていた為、様々な損傷がありました。



まずは本紙を外し、本紙のクリーニング、裏打ちを行いました。


クリーニングと裏打ち

仮張り板に貼ったもの



次に、下張りの文書を外します。この下張りに享保年間の文書がありましたので、それ以降の作ということが判明しました。
六曲屏風で剥がす量も膨大ですので、大学院の専門実習や学部の博物館実習Ⅳの授業の中で、授業での作業が早く進んだ学生に手伝ってもらいました。
下張りの文書を剥がす学部4年生

下張りをはがした榾はまだ使えそうでしたので、こちらに再び和紙を正麩糊で塗り重ねていきました。(この作業も大学院生、学部生に手伝ってもらいました。)

学部生には剥がした文書で状態の悪いものを裏打ちする作業も行ってもらいました。
一連の作業で古い資料の取り扱いのむつかしさや、汚くなってしまった屏風などから歴史的な資料を発見できる喜び、修復の大変さなどが伝わったようです。

私は引き続きこの屏風の修復を行っていきます。

2012年7月2日月曜日

博物館学紀要第37輯

博物館学研究室では、本学の卒業生や教員、学生の博物館学に関する論文の発表の場として毎年度末に『博物館学紀要』を発行しております。昨年度までで第36輯まで発行しており、本年度は第37輯の発行になります。

第37輯の卒業生の申請を6月末で締め切り、2名の院友(卒業生)から応募がありました。
お寄せいただいたタイトルはどちらも大変気になるもので、論文の到着が楽しみです。

また、本日は投稿要項などを院生に配布し、論文を書くように促しました。
多くの論文が寄せられることを期待しております。

今後『博物館学紀要』の古いものは順次研究室のホームページにPDFでアップしていきたいと考えております。