2013年12月7日土曜日

神社博物館事典

 12月6日に雄山閣より『神社博物館事典』が出版されました。
 本稿は、博物館学研究室が取り組んできた「高度博物館学教育プログラム」に基づく成果を再構成したものであります。

 本研究室では、平成23年に大学院生を中心とした神社博物館調査を実施し、同年3月には中間報告を発行しました。しかし、調査が不十分な部分も多く、今回の再編集にあたっては全国の神社の関係各所に多くのご協力をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

2013年12月5日木曜日

大学院進学説明会

12月4日に秋季の大学院進学説明会が開催されました。

今回の説明会の盛況で、博物館学のブースには18名もの学生が集まりました。
参加学生は3年生が多い傾向にありましたが、中国からの留学生の方の参加も見られました。

2013年11月28日木曜日

國學院大學学部共同研究費調査(出雲地方)

 本研究室は、平成25年度國學院大學学部共同研究費に応募し、「出雲地域に遺存する和鏡を中心とした神社資料の総合的調査研究」のテーマが採択されました。これに伴い、平成25年11月20日~24日の日程で、青木豊教授、落合知子准教授、中島助手の3名が調査に赴きました。
 本調査では、和鏡を主なテーマとし、鏡の熟覧、拓本採取、実測、写真撮影を中心に調査を敢行いたしました。
 
 
 11月20日に羽田空港を出発し、出雲市・松江市周辺の神社および博物館調査を実施しました。
 11月21日には、午前中に八重垣神社を訪問し、同社伝世の大型和鏡1面を調査しました。また、午後より島根県立古代出雲歴史博物館を訪問し、同館に寄託されている、熊野大社伝世鏡7面、忌部神社伝世鏡7面の調査を行いました。

八重垣神社全景
甜瓜散双雀鏡(八重垣神社所蔵)

 
11月22日は、飯石郡飯南町上赤名に所在する赤穴八幡宮を訪問し、伝世した39面の鏡を調査しています。
 
赤穴八幡宮調査風景 
 
 11月23日には、午前中に石見地域の調査を実施しています。さらに、午後より熊野大社を訪問し、熊野大社が古くは立地していたとされる元熊野の巨石付近の電探調査を実施しました。
熊野大社元宮巨石
熊野大社元宮全景
熊野大社調査風景
 
 調査最終日の11月24日は、それまでの現地調査により、内神社(高野宮)伝世の和鏡が松江歴史館へ寄託されているという情報を得たことから、先方に許可を得て調査を実施しました。 
 松江歴史館調査風景
 
 今回の調査では、これまで調査がなされていなかった出雲地域に遺存する和鏡を探ることができたことで意義があると思います。今後は、この調査成果をまとめ、公開を予定しております。
 
 

2013年10月18日金曜日

河先生特別授業

 10月15日に韓国釜山広域市 福泉博物館館長の河仁秀先生をお招きし、特別授業を開催しました。河先生には、青木豊教授の「博物館展示論」(学部)2コマと、落合知子准教授の「地域博物館論研究・特殊研究」(大学院)でそれぞれ講義をしていただきました。

博物館展示論 講義状況
左:福泉博物館 河仁秀館長、右:本学大学院生 金さん(通訳)

  学部では、「釜山博物館と福泉博物館の展示構成、特徴」について講義をしていただきました。この講義では、学部生向けにわかりやすい講義をしていただきました。


 大学院授業風景

 大学院では、「遺跡整備と考古博物館」について講義をしていただきました。大学院の講義は、受講段階・研究分野に即した講義をしていただきました。
 当日は台風が接近中とあいにくの天気でしたが、多くの学生が講義を聴くことができました。

2013年10月9日水曜日

于大平先生 特別授業

 10月8日に、中華人民共和国より于右人記念館館長の于大平先生をお招きし、特別講義を実施しました。

中央:于大平館長
  于先生には、「中国和田玉文化」というテーマで講義を行なっていただき、中国における玉の種類や重要性について学ぶことができました。
 本講義には、博物館学コースの学生だけでなく、副専修の学生も参加しました。講義終了後は持参していただいた本物の玉を触ることができました。
 特別授業では、普段聞くことができないお話を多くしていただき、大変勉強になりました。今後も博物館学研究室では、講義等を通じて国際交流を行っていきたいと思います。

2013年9月27日金曜日

平成25年度海外インターンシップ(中華人民共和国)、青木教授講演

 博物館学研究室では、平成22年度より海外の博物館との連携をはじめ、調査や海外インターンシップを行なってきました。本年度も海外インターンシップがはじまり、9月3日より博士課程後期の落合君が中華人民共和国でインターンシップを行なっております。
 インターンシップの開始に伴い青木豊教授も訪中し、インターンシップ生の紹介と打ち合わせを行いました。

于右人故居紀念館中庭にて
右より、落合広倫(インターンシップ生)、于大平副館長、于大方館長、青木豊教授

 9月6日に上海大学において、青木豊教授が「博物館展示の基礎概念」というテーマで講義を行ないました。

上海大学での講義
左、陶 上海大学教授

 翌7日には、上海博物館において意見交換が行なわれました。
上海大学での意見交換
左、胡江 副館長

 なお、10月8日には先述の于大平副館長が来日し、大学院で講義を行なっていただく予定です。

2013年9月24日火曜日

上海大学 教職員来校

 9月23日に、上海大学より陳 党委宣伝部長、郭 館長助理が来校されました。先日、上海大学で青木教授が講演されたことをきっかけとした今回の会合ですが、今後検討していく両校間の博物館学の交流について意見交換がなされました。





2013年9月10日火曜日

博物館実習Ⅲ 東北地方実習

 8月27日~30日の日程で博物館実習Ⅲの東北地方実習を催行いたしました。今回は青森県と岩手県の博物館・史跡等を見学しました。
 8月27日は、特別史跡三内丸山遺跡、青森県立郷土館、田舎館村田んぼアート、同村埋蔵文化財センター・博物館の見学を行いました。青森県立郷土館では、学芸員の伊丸岡様から館の概要とバックヤードの解説を受けました。
青森県立郷土館 見学風景
田舎館村田んぼアート

 28日には、下北郷土資料館、北洋館、むつ科学技術館、三沢市先人記念館、三沢市歴史民俗資料館を見学しました。中でも三沢市歴史民俗資料館では、川村所長から展示解説をいただきました。川村所長からは展示解説だけでなく学芸員としての心構えなどについてもお話をいただきました。
下北郷土資料館 見学風景
三沢市歴史民俗資料館 見学風景

 29日は八戸市博物館、八戸市南郷歴史民俗資料館を見学し、岩手県に移動して御所野遺跡、もりおか歴史文化館を訪問しました。八戸市博物館では、小笠原副館長に館の概要をお話しいただき、学芸員の柏井主事からバックヤードの解説を受けました。
八戸市博物館 見学風景

 30日には、岩手県立博物館、盛岡市先人記念館、盛岡市遺跡の学び館を見学しました。岩手県立博物館では、学芸員の八木様から館内の案内と収蔵庫の見学をさせていただきました。
岩手県立博物館 見学風景

 東北地方実習では、多くの博物館でバックヤードの見学をさせていただき、大変勉強になりました。実際の現場を見ることができることは今後に繋がる良い経験になったと感じました。

博物館実習Ⅲ 関西地方実習

 8月6日~9日の日程で、博物館実習Ⅲの地方研修を実施しました。実習先は関西地域で、兵庫県と大阪府の博物館を見学しました。
 8月6日は、兵庫県の伊丹市立博物館、西脇市郷土資料館、加古川流域滝野歴史民俗資料館、小野市好古館を訪問しました。中でも伊丹市立博物館では、学芸員の岡崎様から解説をしていただいたほか、収蔵庫の見学もさせていただきました。
西脇市郷土資料館 見学風景

 7日は、姫路城、兵庫県立歴史博物館、兵庫県立考古博物館、播磨町郷土資料館の4館を見学しました。中でも姫路城は現在修復作業がされており、その修復内容を見学できる覆屋「天空の白鷺」を見学することができました。また、兵庫県立歴史博物館では学芸課長の神戸様からお話を伺いました。
天空の白鷺 内部
兵庫県立歴史博物館 見学風景

 8日は淡路島に渡り、洲本市立淡路文化史料館、淡路市北淡歴史民俗資料館、淡路市立中原稔猫美術館を見学し、その後神戸市水の科学博物館、神戸華僑歴史博物館を見学しました。
洲本市立淡路文化史料館 見学風景

 最終日の9日は、大阪府立弥生文化博物館、堺市博物館、国立民族学博物館の3館を見学しました。弥生文化博物館では、秋山副館長からバックヤード見学を行なっていただき、さらに院友である学芸員の佐藤直紀氏から展示解説を実施していただきました。

展示解説風景

 今回の博物館実習では、非常に広範囲を移動し、多様な館種の博物館を見学することができました。実習に参加した学生はもちろん、引率教員にとっても勉強になった点が多々あったと感じます。

2013年8月22日木曜日

博物館学専門・特殊実習


7月27日~8月2日の日程で、大学院の博物館学専門・特殊実習を行いました。実習先は長野県の木島平村で、平成22年度より博物館づくりと民俗資料の整理をさせていただいております。本年度は大学院生15名が参加しました。

まず、例年通り大町倉庫と呼ばれる民具が置かれている倉庫の資料整理を実施しました。昨年度2つ展示棚を設置しましたが、本年度はさらに4つ棚を設置しました。




また本年度の実習として、木島平村の小中学生を対象とした勾玉づくり体験を行いました。木島平村の根塚遺跡からは、全国的にも珍しい「く」の字に曲がった勾玉が出土しております。今回の体験では、大学院生が指導役になり、木島平村で出土した勾玉を作成しました。





本年度の実習の結果、大町倉庫に収蔵されていたほとんどの民具資料の整理が完了しました。今後は民具の分類別配架などを実施していき、収蔵展示室として整理を継続する予定です。

2013年7月22日月曜日

博物館実習Ⅳ特別講義

7月20日に博物館実習Ⅳの特別講義を開催しました。株式会社便利堂の西村営業本部次長、山本工房長、松林課長をお招きして講義と実演をしていただきました。

まず、西村次長より便利堂とコロタイプの歴史についての講義があり、実際に実物を交えた講義を拝聴しました。


その後、山本工房長よりコロタイプの仕組みと特性、更には法隆寺金堂壁画の模写の話を聞くことができました。そして、講義ののちに、学生が実際にコロタイプ技術を体験できる場を設けていただきました。



今回の特別講義では、普段体験できない技術を学ぶことのできた良い機会であったと思います。
次回は12月の補講期間に特別講義を実施する予定です。

2013年7月12日金曜日

博物館実習Ⅳ(レプリカ製作)

本日の博物館実習Ⅳの授業では、レプリカ製作を行いました。海藻由来のコピックを印象材に使用し、モルタルを充填した方法と、BBサンドを印象材にして低融点合金を充填する方法の2種類を実践しました。

2013年7月8日月曜日

木島平村ふるさと資料館 オープニングイベント

長野県下高井郡木島平村に「ふるさと資料館」がオープンしました。当館は、平成22年度より本研究室が博物館事業に関わり、大学院生主導で展示構想やパネル製作などを行なってきた博物館です。7月7日にはオープニングイベントが開催され、本学からは青木豊教授・落合知子准教授・広報課 高次氏が参加しました。

浦山副村長・湯本村議会議長・青木教授のあいさつの後、三名によってテープカットが行われました。開館記念の講演として、元中野市立博物館長の中島庄一氏より「千曲川水系の弥生文化と根塚遺跡」が論じられ、多くの方が参加しました。


講演終了後は、樋口和雄木島平村文化財調査専門幹による資料館の展示解説が実施されました。

当博物館は、筆者も大学院生の頃に構想に参加しておりました思い入れのある館です。展示内容や設備等の更新など、今後も研究室として協力をさせていただきたいです。