2015年12月10日木曜日

横手市教育委員会来校

 平成27年12月9日に秋田県の横手市教育委員会文化財保護課より髙橋純課長と島田祐悦主査が来校されました。島田氏は本学の卒業生であり、本年8月には同市の雄物川郷土資料館を博物館実習旅行で訪問するなど、当研究室との交流が続いております。
 同日は、今後研究室と横手市で行う連携について協議が行われました。
左:本学 青木教授、中央:横手市 髙橋課長、右:同 島田主査

2015年12月9日水曜日

12月2日活動報告

 平成27年12月2日には、2件の行事がありました。
 まず、15:20より秋季の大学院進学相談会が開催されました。例年開催されている当会は、来年2月またはそれ以降に大学院を受験する意思を持った学生を対象に、大学院担当教員との面談形式で相談を行うことのできる取り組みです。今回、博物館学のブースには他大学の学生も含め8名の参加者がありました。


 また、16:10より平成28年度博物館実習Ⅲ受講ガイダンスを開催いたしました。博物館実習Ⅲは、地方の博物館を巡見し、博物館の抱える今日的な問題について理解を深める授業です。次年度催行の実習には、日本文学科、史学科などから190名弱の参加が見込まれます。

 次年度実習では、2月から3月にかけて九州・四国・北関東地方を巡り、8月の夏季休暇中に関西・北海道の2コースを催行する予定です。

2015年11月24日火曜日

全国大学博物館学講座協議会東日本部会

 平成27年11月20日と21日に、全国大学博物館学講座協議会東日本部会大会が開催されました。本年度の会場は東北学院大学で、加盟大学及び西日本部会長大学を含めた全69大学のうち38大学から69名の参加をもって開催されました。
 11月20日の委員会は、東日本部会長大学である桜美林大学の浜田弘明教授が開会の挨拶を行い、続いて委員長大学である東北学院大学の辻秀人教授、開催大学の東北学院大学 原田善教副学長より挨拶があり開会されました。
 全国大学博物館学講座協議会東日本部会大会 会場(東北学院大学8号館)
 桜美林大学 浜田弘明教授
 東北学院大学 辻秀人教授
東北学院大学 原田善教副学長

 議事を始めるにあたり議長の選出が行われ、次年度東日本部会開催校の東海大学より江水是仁講師が選出されました。
 議長選出風景
東海大学 江水是仁講師

 まず、浜田教授より平成26年度事業報告があり、続いて事務局の黒岩友見子氏より収支決算報告が行われました。次に平成27年度の事業計画及び予算案、役員大学改選の審議があり、全会一致で承認されました。
 事業報告風景
収支決算報告風景

 その後、平成27年度東日本部会研究助成の選考審議が行われ、本学青木教授が代表を務める「学芸員養成上必要とされる基本文献の集成と博物館学史構築に関する研究」と郡山女子大学短期大学部の會田容弘准教授が代表を務める「短大の学芸員養成課程と地域博物館の連携のための実践的試み」が採択されました。最後に、次年度全国大会等の連絡が本部事務局より行われ、大会を終了しました。
 休憩をはさみ、15時20分より合同部会が開催されました。今回のテーマは、「地域で活動する大学生とミュージアム」に設定され、東北学院大学 加藤幸治准教授、元せんだいメディアテーク 佐藤泰副館長、東北歴史博物館 小谷竜介学芸員、仙台市富沢遺跡保存館 金森安孝館長の4名より、仙台圏での博物館運営とそこに関与する大学生・大学院生の現状について報告と意見が述べられました。
 東北学院大学 加藤幸治准教授
 加藤氏講演風景
 元せんだいメディアテーク 佐藤泰副館長
 佐藤氏講演風景
 東北歴史博物館 小谷竜介学芸員
 小谷氏講演風景
 仙台市富沢遺跡保存館 金森安孝館長
                                金森氏講演風景

 シンポジウムでは、博物館実習以外で大学生が博物館と積極的に交流できる環境づくりの必要性が提言され、また学芸員養成と博物館の乖離が起こらないよう今後協力体制を強化することが肝要であるとの見解に至りました。



 その後の研修会においては、各大学の担当者が個別に情報交換を行い、それぞれが抱える問題点などが話し合われました。
 翌21日は、8:40に仙台駅に集合し、仙台市富沢遺跡保存館や東北歴史博物館などを見学しました。
 今回の東日本部会では、今日の博物館と大学生を取り巻く問題点について再確認ができたかと思います。今後の学芸員養成に於いては、今回の問題点を念頭に入れつつ行っていければと思います。

2015年11月13日金曜日

釜山市立博物館 羅東旭氏 特別講義

 平成27年11月9日~13日の日程で、大韓民国より釜山市立博物館の羅東旭氏を招聘いたしました。羅氏は、釜山市立博物館において文化財発掘調査チーム長を務められており、研究としては中世の「倭城」の考古学的研究に携わっております。今回は、高度博物館学教育プログラム後継事業に基づき、4泊5日の日程で来邦されました。
本学青木教授との対談風景(右:釜山市立博物館 羅東旭氏)

 羅氏は、9日に到着し、10日の大学院開校科目「地域博物館論研究・特殊研究」にて、「釜山博物館と体験学習活動」と題する講義をして戴きました。
 大学院講義風景①
                           大学院講義風景②

 11日は、東京国立博物館と江戸東京博物館を見学しました。
 12日には、学部の「博物館経営論」の時間において、「博物館の常設体験学習」と題する講義をしていただきました。
学部講義風景

 今回の特別講義では、釜山広域市内に所在する博物館の概要と実態を概観したうえで、同館の実践する教育普及活動について丁寧な講義を戴きました。日本よりも博物館教育の分野で先行している韓国の実例を学ぶことで、より実践的な知識を得られたことと思います。

2015年10月14日水曜日

西安市 于大方先生 特別講義

 平成27年10月13日に、西安于右任故居記念館館長である于大方氏による特別講義を開催しました。于右任故居記念館は、毎年本学大学院生のインターンシップを受け入れてくださる館で、于先生も本学にて数度講義をされたことがあるなど、本学と非常に結びつきが強い関係にあります。
 今回は「博物館教育思考」の題目で、大学院生向けに講義されました。
 左:于右任故居記念館 于大方 館長、右:本学 青木豊 教授
 教室全景(於、博物館学実習室)
講義風景

 本講義では、博物館教育の重要性と教育専門職員の必要性について述べられ、今後の博物館の在り方についての于氏の考えを聞くことができました。また、大学院生からも積極的な質問が出ており、国際交流的な意味においても良い講義であったかと思います。
 于先生は、16日まで日本に滞在され、博物館に関する調査や大学院GP後継事業に関わる協議等を行います。

2015年10月8日木曜日

上海大学 羅宏才教授 特別講義

 平成27年10月6日に上海大学の羅宏才教授による特別講義「同文书院秦陇旅行讲座」を開催しました。
 羅教授は、上海大学中国産業芸術研究院の副院長で、美術考古学を専門としておられます。この度、國學院大學大学院の国際学術交流事業に伴い招聘を行い、9月30日から一か月の日程で日本での博物館研究を行っております。
 今回の特別講義は、本学青木豊教授の博物館展示論の受講学生および大学院生を対象とし、4限・5限の時間を用いて実施しました。
左:上海大学 羅宏才教授、右:本学 青木豊教授

 4限は、本学大学院博物館学コース博士課程前期1年の張哲君に通訳をお願いし、約140名の学生が講義に参加しました。
左:羅 教授、 右:大学院生 張哲 君
教室全景(4限@2303教室)

 また5限では、本学大学院博物館学コース博士課程後期1年の王娟さんに通訳をお願いし、約60名の学生が講義に参加しました。
 左:大学院生 王さん、 右:羅 教授
 教室全景(5限@2402教室)
講義風景

 今回の特別講義では、日本国内でもあまり知られていない「同文書院-秦隴旅行班-」について取り上げ、新発見の資料からその実態解明を試みた研究を紹介するものでした。普段聞くことのできない戦前期の日本と中国の関係について丁寧な解説を戴き、参加した学生も興味を持った者が少なくないと思います。
 羅教授は、次週より九州を訪問し、長崎国際大学にて「中国の博物館事情」について講演を行う予定です。


2015年9月25日金曜日

中華人民共和国諸機関との協議

 平成27年8月31日~9月5日の日程で、本学青木豊教授が中華人民共和国を訪問しました。今回の訪中は、毎年同じ時期に実施している海外インターンシップの学生の引率と、西安・上海の関係諸機関との協議を目的としたものです。
 本年度の海外インターンシップには、大学院の博士課程後期1年生が2名参加し、約一か月の日程で西安于右任故居紀念館にて就労体験を行っております。

 8月31日に出発し、翌9月1日には今回の派遣インターン大学院生を引率同行し、西安于右任故居紀念館においてインターンシップ実施内容などに関する協議を行いました。
 9月2日午前には、西安于右任故居紀念館において協議を継続実施し、午後、青木教授による西安市文物局主催講演会 演題「博物館資料の劣化と保存」を開催しました。
西安市文物局主催講演会での講演風景

 9月3日は西安を出立し、上海へ移動しました。同日は、開館したばかりの上海自然史博物館を見学しました。
 続く9月4日は、上海大学において、上海大学付属博物館建設に関する会議に参加しました。
上海大学付属博物館設立委員会 会議風景

 9月5日は、日中上海市内の新設博物館を視察し、夕刻、上海より東京へ帰国しました。
 
 本研究室では、9月末に上海大学から羅先生を、10月に西安市より于先生を招聘し、特別講演を行っていただく予定です。

2015年9月2日水曜日

博物館学新刊書籍の紹介

 この度、本学青木豊教授と鷹野光行客員教授の共編で、同成社より『地域を活かす遺跡と博物館-遺跡博物館のいま-』が刊行されます。

 同書は、我が国に多数存在する遺跡に関係する博物館=遺跡博物館を題材として取り上げ、その現状と課題を整理し、今後の在り方について展望を行った著作であります。

 同書の執筆に際しては、日本全国の研究者の方々より多大なご協力を戴き、ようやく完成することができました。 この場をお借りして、御礼申し上げます。


 主な目次は以下の通りです。

まえがき
第1章 遺跡博物館の概念
―法制度・保護思想の変遷と風土記の丘―
第2章 日本人が見た海外のSite Museum
第3章 遺跡博物館の出現の背景
第4章 遺跡博物館における覆屋展示
第5章 中国西安における遺跡の保存と博物館
第6章 香港における遺跡博物館
第7章 遺跡の保存整備と遺跡博物館の歴史
I 北海道地域
II 東北地域
III 北関東地域
IV 南関東地域
V 甲信越地域
VI 北陸地域
VII 中京地域
VIII 関西地域
IX 山陰地域
X 山陽地域
XI 四国地域
XII 九州地域
XIII 沖縄地域
第8章 遺跡博物館のこれから
附 表 全国の主要遺跡博物館一覧
あとがき


2015年9月1日火曜日

平成27年度 第5回 博物館実習Ⅲ 東北地方

 平成27年8月25日から28日にかけて、第5回の博物館実習Ⅲ(地方博物館見学実習)を催行しました。今回は、秋田県~岩手県にかけての東北地方の博物館をテーマとし、30名の学生が参加しました。
 初日の25日は、9:00にJR秋田駅に集合、ミーティングを実施したのち秋田県立博物館へ向かいました。同館では、普及・広報班の船木信一班長と鈴木秀一主査より、収蔵庫を含めたバックヤード見学と詳細な解説を戴きました。中でも考古資料・岩石資料をはじめとするいくつかの収蔵庫には実際に入って見学をさせて戴き、日常管理に於いての問題や今後の課題についてもお話しいただきました。
 秋田県立博物館
 左:秋田県立博物館 鈴木秀一 主査
右2番目:秋田県立博物館 船木信一 班長

 同日はその後、大仙市総合民俗資料交流館「くらしの歴史館」、秋田県立農業科学館、横手市雄物川郷土資料館を見学しました。中でも雄物川郷土資料館では、院友の島田祐悦 主査より館の取り組みや現在開催中の特別展に関する展示紹介等を詳細に解説いただきました。
 大仙市総合民俗資料交流館「くらしの歴史館」
 秋田県立農業科学館
 横手市雄物川郷土資料館
中央付近:横手市教育委員会 島田祐悦 主査

 翌26日は、横手市から大館市までちょうど秋田県を南から北へ縦断するルートの博物館を見学しました。同日は、仙北市田沢湖郷土史料館、打当温泉マタギ資料館、北秋田市郷土文化保存伝承館・阿仁異人館、大館郷土博物館を見学し、大館市内に宿泊しました。
 仙北市田沢湖郷土史料館
 打当温泉マタギ資料館
 北秋田市郷土文化保存伝承館
北秋田市阿仁異人館

 中でも大館郷土博物館では、学芸員の嶋影壮憲氏と荒谷由季子氏より、収蔵庫の見学を含めた詳細な案内を戴きました。また、隣接する秋田三鶏記念館も併せて見学を行いました。
 大館郷土博物館
大館郷土博物館 嶋影壮憲 学芸員
秋田三鶏記念館

 27日は、大館市から県境をまたぎ岩手県へと至りました。まず、秋田県大館市の比内町郷土民俗資料館、小坂町の小坂鉱山事務所を見学し、岩手県側では八幡平市博物館、もりおか歴史文化館、もりおか啄木・賢治青春館を見学しました。
 比内町郷土民俗資料館
 小坂鉱山事務所
 八幡平市博物館
 もりおか歴史文化館
もりおか啄木・賢治青春館

 もりおか歴史文化館では、館長の畑中美耶子氏より歓迎の挨拶と館の概要を、また学芸員の熊谷博史氏から展示コンセプトや館の実践する教育活動などより踏み込んだ内容の解説を戴き、なおかつ展示解説も行っていただきました。
 右:もりおか歴史文化館 畑中美耶子 館長、左:同館 熊谷博史 学芸員
熊谷氏解説風景

 最終日の28日は、まず岩手県立博物館を訪問し、主任専門学芸員の齋藤里香氏より収蔵庫を含めたバックヤード見学と解説を戴きました。今回は、人文・自然・考古の収蔵庫を見学させていただいたほか、東日本大震災で被災した資料の修復の現場に関しても同時に見学するとこができました。
 岩手県立博物館
岩手県立博物館 齋藤里香 主任専門学芸員

 その後、もりおか町家物語館、岩手大学ミュージアム、岩手大学農学部附属農業教育資料館を見学し、盛岡駅にて解散となりました。
 もりおか町家物語館
 岩手大学ミュージアム
岩手大学農学部附属農業教育資料館

 今回の博物館見学実習でも、関西地方と同様に近似の分野の博物館を複数見学し、学生自身が比較できるようにしました。特に本コースでは、秋田県立博物館と岩手県立博物館といった県立の総合博物館の比較や、廃校となった学校校舎を利用した大仙市総合民俗資料交流館と大館郷土博物館の比較など、様々な面で考えることが多いコースであったと思います。
 本年度の博物館実習Ⅲは本コースにて終了となります。また次年度の実習Ⅲは、平成28年2月より5つのコースを計画しております。