2016年8月29日月曜日

平成28年度 第5回 博物館実習Ⅲ 北海道地方

 平成28年8月16日~19日の3泊4日の日程で、博物館実習Ⅲ(地方見学実習)を催行しました。今回は、北海道地方を見学テーマとし、30名の学生の参加がありました。
 一日目の8月16日は、午前九時にJR札幌駅鐘の広場に集合し、青木教授から諸注意を受けた後、北海道博物館を見学しました。同館では、保存科学担当学芸員の杉山智明氏より、北海道博物館の概要と保存管理の方法についてレクチャーを戴きました。
 北海道博物館
 グループレクチャー風景
北海道博物館 杉山智明 学芸員

 その後、月形樺戸博物館、奈井江町郷土館、雨竜町開拓記念館を見学し、同日は旭川市に宿泊しました。
 月形樺戸博物館 本館
 月形樺戸博物館 旧樺戸集治監本庁舎
 奈井江町郷土館
雨竜町開拓記念館

 翌17日も、上川・空知地域の博物館を中心に見学をしました。同日は、上富良野町開拓記念館、上富良野町郷土館、新十津川町開拓記念館・農業記念館、はまます郷土資料館を見学しました。特に新十津川町開拓記念館では、街に関する概要のお話と収蔵庫を見学させていただきました。
 上富良野町開拓記念館
 上富良野町郷土館
 新十津川町開拓記念館
 新十津川町農業記念館
 新十津川町開拓記念館 解説風景
はまます郷土資料館

 続いて18日は、札幌以西の地域を対象とし、小樽市総合博物館、小樽市手宮洞窟保存館共和町かかし古里館、鰊御殿とまり、ニッカウヰスキー余市蒸留所ウイスキー博物館を見学しました。小樽市総合博物館では、館長の石川直章氏より館のコンセプトや展示の概要などをお話しいただきました。また共和町かかし古里館や鰊御殿とまりでも詳細な博物館解説をしていただきました。
 小樽市総合博物館 本館
 石川館長 解説風景
 小樽市手宮洞窟保存館
 共和町かかし古里館
 かかし古里館 解説風景
 鰊御殿とまり
 鰊御殿とまり 解説風景
 ニッカウヰスキー余市蒸留所
ウイスキー博物館

 最終日は、まず小樽市内の自由見学時間を設け、その中で小樽市総合博物館運河館と旧日本郵船小樽支店の見学を行いました。
 小樽市総合博物館 運河館
旧日本郵船小樽支店

 その後、札幌市内へ移動し、北海道大学総合博物館を見学しました。同館では、湯浅真紀子教授から博物館の概要と北海道大学の博物館への取り組みについて解説を戴き、その後考古学のミュージアムラボ(整理・研究室)を見学しました。その際、ご厚意で考古学の収蔵庫を併せて見学させていただきました。
 北海道大学総合博物館
 北海道大学 湯浅真紀子 教授
ミュージアムラボ(考古学) 見学風景

 北海道大学では、キャンパス内に所在する札幌農学校第二農場を併せて見学し、ミーティングを行ったのち、札幌駅と新千歳空港で解散となりました。
 今回の実習では、台風の接近・上陸とそれに伴う大雨により、一部満足な見学ができなかった場所もあったことが残念でした。また今回は、北海道地域に多い歴史的建造物を利用した博物館を多くコースに盛り込み、大規模館ではわからない地方博物館の現状について把握することを意図しました。本実習を通じて、わが国有数の観光地である北海道とそこに所在する博物館の状況を少しでも感じてもらえたら幸いです。
 本年度の博物館実習Ⅲは、当コースをもって終了となりました。次は、来年2月より平成29年度の実習を行う計画であります。

2016年8月8日月曜日

平成28年度 第4回 博物館実習Ⅲ 関西地方

 平成28年8月4日から7日の3泊4日で、第4回の博物館実習Ⅲ(地方見学実習)を催行しました。今回は、関西地方をテーマに、大阪府、和歌山県、奈良県域の博物館を見学しました。
 初日である8月4日は、午前9時にJR新大阪駅に集合し、青木教授からの諸注意があったのち、大阪府南部地域の博物館を中心に見学しました。見学館は、泉大津市立織編館、きしわだ自然資料館、泉南市埋蔵文化財センター古代史博物館、和歌山県立紀伊風土記の丘の4館です。
 泉大津市立織編館
 きしわだ自然資料館
 泉南市埋蔵文化財センター古代史博物館
国史跡 海会寺跡

 中でも和歌山県立紀伊風土記の丘では、同館の冨加見泰彦氏より展示と古墳に関する詳細な解説を戴きました。
 和歌山県立紀伊風土記の丘資料館
 中央:冨加見泰彦氏
 冨加見氏解説風景
古墳石室見学

 続く5日は、和歌山県~奈良県域に掛る博物館見学を意図し、前日宿泊地の高野山に所在する高野山霊宝館、和歌山県の県庁所在地和歌山市にある和歌山県立博物館と和歌山市立博物館、さらに奈良県の南部にある五條市の市立五條文化博物館を見学しました。
 高野山霊宝館
 和歌山県立博物館
 和歌山市立博物館
五條市立五條文化博物館

 中でも和歌山県立博物館では、院友でもある学芸員の坂本亮太氏より、館の概要に関する講義を戴いたのち、収蔵庫見学を含めた管理部門の詳細な見学をさせていただきました。
和歌山県立博物館  坂本亮太 学芸員
坂本学芸員 講義風景

 翌6日は、奈良県中部~南部地域の郷土博物館見学を意識し、葛城市歴史博物館、吉野歴史資料館、東吉野村民俗資料館、東吉野村ふるさと村ビジターセンター、桜井市埋蔵文化財センターの5館を見学しました。
 葛城市歴史博物館
 吉野歴史資料館
 東吉野村民俗資料館
 東吉野村ふるさと村ビジターセンター
桜井市埋蔵文化財センター

 葛城市歴史博物館では、学芸員の神庭滋主査よりお話を戴き、館や什器の設計や建物の利点・欠点、博物館運営上の苦労など多彩なお話を伺うことができました。
 葛城市歴史博物館 神庭滋 学芸員
展示室内解説風景

 最終日の7日は、比較的大型の博物館の見学を意図し、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館、奈良国立博物館、大阪歴史博物館を見学しました。橿原考古学研究所附属博物館では、院友の木下亘副館長から、大阪歴史博物館では主任学芸員の酒井一光氏からそれぞれお言葉を頂戴し、また大阪歴史博物館ではバックヤードも併せて見学させていただきました。
 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
 橿原考古学研究所附属博物館 木下亘 副館長
 木下副館長 講演風景
 奈良国立博物館なら仏像館
 大阪歴史博物館
 大阪歴史博物館 酒井一光 主任学芸員
酒井氏講義風景

 その後、ミーティングを実施し、15時30分に新大阪駅にて解散となりました。
 今回の実習では、国立・県立の大型館と町・村立の小規模館、遺跡博物館、自然史系と人文系など、来訪した博物館同士を比較できるような見学館構成を考えました。これは、学生達が普段訪れることのないような博物館を見学することで、我が国の博物館が抱える現状を把握してもらい、より良い博物館について考えてもらうことを意識したものです。参加した学生には、実習を通じて少しでも地方の博物館について考えてもらえれば幸いです。
 次回は、8月16日~19日の日程で北海道地域の博物館を見学致します。