2017年3月14日火曜日

平成29年度 第3回 博物館実習Ⅲ 甲信地方

 平成29年3月7日~10日の日程で、第3回の地方見学実習を催行しました。今回は、長野県のJR上田駅を起点とし、山梨県のJR甲府駅に至る地域にコースを設定し、29名の参加がありました。
 7日は、まず午前9時にJR上田駅お城口に集合し、ミーティングをおこなったのち、上田市立博物館を見学しました。同館は、近年別館をリニューアルしたところから見学対象としました。
 上田市立博物館 本館
                 上田市立博物館 分館

 次に、長野県立歴史館を訪問しました。同館では、まず総合情報課の溝口俊一専門主事より館の概要のお話を戴いた後、バックヤードを見学させていただきました。考古学の収蔵庫は大竹憲昭考古資料課長に、古文書・公文書の収蔵庫は中野亮一文献史料課長にそれぞれご案内を戴きました。
 長野県立歴史館
 同館 溝口俊一 専門主事
同館 大竹憲昭 考古資料課長
 同館 中野亮一 文献史料課長
バックヤード見学風景

 さらに、千曲市立森将軍塚古墳館、安曇野市豊科郷土博物館、松本市梓川アカデミア館を続けて見学しました。豊科郷土博物館では、院友の宮本尚子学芸員に、アカデミア館では館長様よりそれぞれご対応を戴きました。
 千曲市立森将軍塚古墳館
 安曇野市豊科郷土博物館
 松本市梓川アカデミア館
松本市梓川アカデミア館 解説風景

 翌8日は、松本市立博物館より見学を始めました。同館では、窪田雅之館長より博物館運営に関する大所高所からの講義を戴き、その後小暮洋介学芸員の案内によって収蔵庫を含めたバックヤードを見学させていただきました。
 松本市立博物館
 同館 窪田雅之 館長
窪田館長講義風景

 続いて、松本城、松本市はかり資料館、松本市時計博物館の見学を含む自由見学を実施したのち、塩尻市立平出博物館、箕輪町郷土博物館をそれぞれ訪問しました。平出博物館では、院友の小松学課長補佐より後輩への激励を戴きました。
 松本城
 松本市はかり資料館
 松本市時計博物館
 塩尻市立平出博物館
 同館 小松学 課長補佐
箕輪町郷土博物館

 3日目は、諏訪市博物館より見学を開始しました。同館では、中島透学芸員よりバックヤード見学を含めた詳細な解説を戴きました。また、学芸員として勤務する上での苦労やこれから学芸員を目指す学生へのアドバイス等を戴きました。
 諏訪市博物館
 同館 中島透 学芸員
解説風景

 同日はその後、北杜市郷土資料館、山梨県立考古博物館、中央市豊富郷土資料館、甲斐黄金村 湯之奥金山博物館の4館を見学しました。その内、豊富郷土資料館では、末木健館長からご挨拶を戴き、また今福律子学芸員による解説を戴きました。
 北杜市郷土資料館
 山梨県立考古博物館
 中央市豊富郷土資料館
 同館 末木健 館長(左)、今福律子 学芸員(右)
甲斐黄金村 湯之奥金山博物館

 最終日は、山梨県立富士山世界遺産センター、ふじさんミュージアム、山梨県立博物館の3館を訪問しました。山梨県立富士山世界遺産センターでは、南館リーダーの若木俊一郎氏より館内を御案内いただき、また山梨県立博物館では森原明廣学芸課長によるバックヤード見学を含めた詳細な解説をいただきました。
 山梨県立富士山世界遺産センター
 同センター 若木俊一郎 南館リーダー
 ふじさんミュージアム
 山梨県立博物館
 同館 森原明廣 学芸課長
森原課長解説風景

 その後ミーティングを行ったのち、15時頃JR甲府駅にて解散となりました。
 今回の実習では、多くの館で院友をはじめとする諸関係者よりご講義・ご案内を戴くことができ、また複数の館の収蔵庫を見学できる機会に恵まれました。今回の経験を基に、学生達も博物館について見聞を深められたのではないかと思います。
 次回は、8月に中国地方の実習を行う予定です。

2017年3月4日土曜日

平成29年度 第2回 博物館実習Ⅲ 中京地方

 平成29年2月28日~3月3日の日程で、第2回博物館実習Ⅲ(地方博物館見学実習)を催行しました。今回は中京地方の博物館見学を企図し、愛知県・岐阜県・富山県にまたがる地域の博物館を見学しました。
 まず初日は、午前9時にJR名古屋駅太閤通口に集合し、ミーティングを行った後最初の見学館の南山大学人類学博物館を訪問しました。同館では、学芸員の如法寺慶大氏にご対応いただき、館のコンセプトの詳細な解説や収蔵庫も併せて見学させていただきました。同館は、殆どの展示に触れることを一つの特徴としており、他の博物館と違う当該特色に学生たちも楽しみながら学んでおりました。
 南山大学人類学博物館
 同館 如法寺慶大 学芸員
 展示室内解説風景
収蔵庫見学風景

 同日は、続いて一宮市博物館、江南市歴史民俗資料館、岐南町歴史民俗資料館、岐阜市歴史博物館を見学し、岐南町では伊藤恭博館長より野外移築民家を含めた解説を戴きました。
 一宮市博物館
 江南市民文化会館(内部に江南市歴史民俗資料館が在中)
 岐南町歴史民俗資料館
 伊藤館長解説風景
岐阜市歴史博物館

 2日目は、美濃加茂市民ミュージアム、岐阜県博物館、美並ふるさと館、郡上市白山文化博物館をそれぞれ見学しました。美濃加茂市民ミュージアムでは、同じ時間帯に小学校の体験学習が行われており、活きた博物館活動を真近に見学できる良い機会であったと思います。
 美濃加茂市民ミュージアム
 岐阜県博物館
 岐阜県博物館 概要解説
 美並ふるさと館
郡上市白山文化博物館

 3日目は降雪による悪天候ではありましたが、所謂フィールドミュージアムを複数見学しました。具体的には、飛騨高山まちの博物館、風土記の丘史跡公園・学習センター、世界遺産 菅沼合掌造り集落に所在する五箇山民俗館・塩硝の館を訪問し、また様々な運営母体の博物館見学を目的に、高山市に所在する光ミュージアムを見学しました。
 飛騨高山まちの博物館
 風土記の丘学習センター
 五箇山民俗館
光ミュージアム

 最終日の3月3日は、まず富山県[立山博物館]を見学しました。同館では、岡田知己学芸課長から館の概要や運営についてお話を伺い、その後学芸課主任の加藤基樹氏より展示に関する解説を戴きました。
 立山博物館 展示館
 同館 岡田知己 学芸課長
 岡田氏解説風景
 同館 加藤基樹 学芸課主任
加藤氏解説風景

 その後、富山市大山歴史民俗資料館、弓の里歴史文化館、富山市郷土博物館をそれぞれ見学し、ミーティングを行ったのちJR富山駅にて解散となりました。
 富山市大山歴史民俗資料館
 弓の里歴史文化館
富山市郷土博物館

 今回の実習では、3県の博物館事情の比較を目的にこのコースを設定し、また都市部から山間部までの多様な設立環境、県・市町・大学・宗教法人といった様々な設立母体によって、博物館展示や運営が如何に異なるかを学んでもらうことを意図しました。さらに今回は、世界遺産や風土記の丘、博覧会等の記念事業に基づく博物館設立など、別の要因によって博物館が計画された例を複数含んでおり、それら様々な要素を比較し、好ましい博物館の在り方について学生なりに考えてもらえれば幸いです。
 次回は3月7日~10日の日程で長野県・山梨県の博物館施設を見学します。