2017年8月28日月曜日

平成29年度 海外インターンシップ(大韓民国 釜山広域市)

 本学博物館学研究室では、大学院GP後継支援事業として「高度博物館学プログラム」を推進し、本年で5年目となります。当該事業では、大学院生の研究能力および学芸員としての技術の向上を目的に海外インターンシップ制度を設けております。これは、中華人民共和国、大韓民国の提携博物館において一ヶ月程度の職業体験を実施するもので、毎年1名~2名の応募者があります。
 本年度は、大学院博士課程後期1年の張哲君が大韓民国の釜山市立博物館にてインターンシップを実施しております。
 釜山市立博物館
 同館 李源福 館長への挨拶
 同館職員への挨拶
釜山市立博物館でのインターンシップ風景

 釜山市立博物館は、福泉博物館、鼎冠博物館、臨時首都記念館など複数の分館を有しており、張君は滞在中様々な館で業務を経験することとなっております。

平成29年度 博物館学専門・特殊実習(現地実習)

 平成29年8月10日から16日の日程で、平成29年度の博物館学専門・特殊実習(現地実習)を実施しました。本年度は、昨年度実習先の長崎県波佐見町から場所を移し、秋田県横手市で実習を行いました。参加者は、引率3名と大学院博物館学コース13名、複専修生3名の合計19名です。
 今回の実習では、横手市教育委員会の協力を賜り、大学院生が主体となって特別展示を施工することができました。また、市に寄贈された「薄葉コレクション」と題する資料群の台帳化を目的とした整理作業を実施いたしました。

 初日の8月10日は、15:00に大曲駅に集合し、現地へ向かいました。16:00に調査を実施する「雄物川郷土資料館」に到着、機材を搬入し、民具資料の計測と写真撮影等を含む資料台帳作成の準備を行いました。
雄物川郷土資料館への挨拶

 8月11日は8:30から作業を開始しました。まず、横手市教育委員会へ向かい、あいさつを行ったのち、教育委員会文化財保護係の高橋輝幸課長と島田祐悦主席主査による講話を開催。終了後、横手市域の博物館施設および増田重要伝統的建造物群保存地域を見学しました。夕刻より、横手市教育委員会と金子大学院委員長を交え協定締結に関する打ち合わせを行いました。
 翌12日は9:00から作業開始。同日より、雄物川郷土資料館での特別展示施工と資料整理の2班に分け作業を行いました。その後、13・14日は人員を変更しつつ、展示および整理作業を実施しました。



 8月15日は、展示および整理作業を継続して行いました。11時に展示作業を終了し、全員で資料整理作業を実施。15:00に現場での実習を終了し、その後17時までほろわの里資料館、十文字郷土資料展示室など市内の博物館施設を見学しました。
 最終日の16日は、大学への機材返送のための梱包・撤収作業を実施し、その後、特別展開催に際し、青木教授によるギャラリートークを実施しました。11:00に横手市を出発、12:00に大曲駅にて解散となりました。










 今回の実習では、展示構想からはじまり、パネルやリーフレットの作成、実際の展示施工まで大学院生が主体となって取り組むことができました。本実習で体験した特別展を作る経験は、今後各自が学芸員となって博物館に勤務した際にも活かすことができると考えられます。
 また、特別展示および資料整理の機会を与えてくださりました横手市教育委員会には、この場を借りて感謝申し上げます。
 なお、後期の博物館学専門・特殊実習では、今回の展示について総括し、報告書として纏める予定です。

2017年8月9日水曜日

平成29年度 第4回 博物館実習Ⅲ 中国地方

 平成29年8月4日から7日の日程で、第4回の博物館実習Ⅲ(地方見学実習)を催行しました。今回は、中国地方と題しまして、広島県から岡山県にかけての博物館を見学しました。参加人数は29名です。
 まず4日は、午前9時にJR広島駅中央改札に集合し、ミーティングを実施した後市内に所在する広島市郷土資料館を見学しました。同館では、院友でもある主任学芸員の篠原達也氏より館の詳細な解説と収蔵庫見学を含めたバックヤード見学をさせていただきました。
 広島市郷土資料館
 篠原達也 主任学芸員
篠原氏 解説風景

 その後同日は、呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)、海上自衛隊呉史料館(てつのくじらかん)、府中町歴史民俗資料館、海田町ふるさと館を見学しました。
 呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)
 海上自衛隊呉史料館(てつのくじらかん)
 府中町歴史民俗資料館
海田町ふるさと館

 翌5日は、安芸高田市歴史民俗博物館、広島県立歴史民俗資料館(みよし風土記の丘ミュージアム)、三次市吉舎歴史民俗資料館(あーとあい きさ)、世羅町大田庄歴史館、府中市歴史民俗資料館を見学しました。
 広島県立歴史民俗資料館では、主任学芸員の葉杖哲也氏より収蔵庫を含めた見学と館の理念等に関する講義をいただきました。また、世羅町大田庄歴史館では学芸員の林光輝氏より、府中市歴史民俗資料館では谷重豊季氏よりそれぞれ展示等に関する解説をいただきました。
 安芸高田市歴史民俗博物館
 広島県立歴史民俗資料館(みよし風土記の丘ミュージアム)
 葉杖哲也 主任学芸員
 葉杖氏 解説風景
 三次市吉舎歴史民俗資料館(あーとあい きさ)
世羅町大田庄歴史館
 林光輝 学芸員 解説風景
 府中市歴史民俗資料館
谷重豊季氏 解説風景

 3日目の8月6日は、まず広島県立歴史博物館(草戸千軒ミュージアム)を見学しました。同館では、主任学芸員の山本智宏氏より館の概要説明とドライエリアを含めた細部に至るまでのバックヤード見学をさせていただきました。
 広島県立歴史博物館(草戸千軒ミュージアム)
 山本智宏 主任学芸員
山本氏 解説風景

 その後、笠岡市立郷土館、里庄町歴史民俗資料館、岡山県立博物館、岡山市立オリエント美術館を見学しました。
 中でも岡山県立博物館では、学芸員(主任)の重根弘和氏より、バックヤード見学のほか展示コンセプトやライティング等の詳細な解説をいただきました。
 笠岡市立郷土館
 里庄町歴史民俗資料館
 岡山県立博物館
 重根弘和 学芸員(主任)
重根氏 解説風景
岡山市立オリエント美術館

最終日の7日は、台風5号が接近中とのことで生憎の天気であったところから予定していた館をとりやめ、倉敷市の大原美術館のみを見学しました。
大原美術館

 その後、バス内で簡単なミーティングを行い、お昼頃に岡山駅にて解散となりました。
 今回の実習では、台風の接近に伴い、予定よりも若干見学数が少なくなってしまいましたが、県立・市立・町立・私立の設置母体の違いや、歴史博物館・郷土博物館・美術館・科学館・遺跡博物館などの館種の違いを感じられたツアーであったと思います。
 また、訪問した館をそれぞれ比較するだけでなく、普段生活している首都圏の博物館との比較をすることで、我が国の博物館が抱えている問題点について少しでも理解を含めてもらえれば幸いです。
 次回は、9月11日~15日の日程で北海道地方実習を催行いたします。