2017年9月27日水曜日

上海大学 郭氏 特別講義

 平成29年9月11日から10月10日にかけて上海大学の郭驥助理を招聘しております。これは、國學院大學大学院の短期招聘制度に基づくもので、海外の研究者を日本に招聘し調査・研究に資していただくものです。
 当該招聘では、研究者の方々に滞在中の講義をお願いしており、本年は9月26日に特別講義を開催しました。今回は、学部生を対象とした講義2コマ(「博物館展示論」内)と大学院生を対象とした講義1コマ(「地域博物館論研究」内)を実施していただきました。
上海大学 郭驥 助理
学部講義風景「上海地区博物館概覧」
大学院講義風景「中国大学博物館概覧」

 郭氏は、大学博物館を研究テーマとしており、日本に於いても複数回調査を行っております。今回の講義は、学部では上海地区の博物館の概要紹介を主としましたが、大学院では自身の研究成果を盛り込んだ大学博物館論を講義なされました。
 今後郭氏は、日本滞在中に各地の大学博物館を調査する予定であります。

2017年9月20日水曜日

平成29年度 第5回 博物館実習Ⅲ 北海道地方

 平成29年9月12日から15日の日程で、第5回の博物館実習Ⅲ(地方見学実習)を実施しました。今回は、北海道の道東地域の博物館見学を目的に実習を計画し、合計26名の参加者がありました。
 初日の12日は、午前9時に新千歳空港の貸し切りバス待合所に集合し、ミーティングを行った後、恵庭市郷土資料館、日高山脈博物館、池田町郷土資料館、浦幌町立博物館の4館を見学しました。
 恵庭市郷土資料館
 日高山脈博物館
 池田町郷土資料館
浦幌町立博物館

 翌13日は、早朝より釧路市立博物館を訪問しました。同館では、まず戸田恭司学芸主幹より館の概要をお話しいただいた後、2班に分かれて見学を行いました。班別行動の際には、一班が市立博物館の展示コンセプトの解説とバックヤード見学をさせていただき、もう一班は釧路市埋蔵文化財調査センターの石川朗主幹の案内で同センターおよび収蔵庫の見学をさせていただきました。
 釧路市立博物館
 戸田恭司 学芸主幹
 釧路市立博物館 見学風景
 石川 朗 主幹
釧路市埋蔵文化財調査センター 見学風景

 その後、弟子屈町屈斜路コタンアイヌ民俗資料館、知床世界遺産センター、斜里町立知床博物館を見学し、同日は網走市に宿泊しました。
 弟子屈町屈斜路コタンアイヌ民俗資料館
 知床世界遺産センター
斜里町立知床博物館

 3日目は、博物館網走監獄をまず見学しました。同館は、学芸部門の課長および学芸員が院友であり、今回は学芸員の関根悠高氏に館の概要等をお話しいただき、併せて収蔵庫も見学させていただきました。
 博物館網走監獄
関根悠高 学芸員

 同日は、続いて北海道立北方民族博物館、美幌博物館、くんねっぷ歴史館を見学し、帯広市に宿泊しました。
 北海道立北方民族博物館
 美幌博物館
くんねっぷ歴史館

 最終日の15日は、幕別町ふるさと館、帯広百年記念館、芽室町ふるさと歴史館ねんりんを見学しました。中でも帯広百年記念館では、館長の北沢実氏より館の概要説明等のご対応をいただきました。
 幕別町ふるさと館
 帯広百年記念館
 北沢 実 館長
芽室町ふるさと歴史館ねんりん

 その後、ミーティングを実施し、午後3時過ぎに新千歳空港にて解散となりました。
 今回の実習では、普段あまり訪れることの無い北海道道東地域をテーマに設定したことで、参加学生も新鮮な印象を受けたのではないかと思います。また、斜里町立知床博物館や美幌博物館など、町立の郷土博物館においても創意工夫を凝らした展示の実践を見ることができたほか、館ごとに様々な面で努力していることを確認できました。
 本実習をもって平成29年度の博物館見学実習は終了となりました。平成30年度は、例年通り2月~3月の春実習と8月~9月の夏実習を催行する予定です。

2017年9月19日火曜日

平成29年度後三年合戦沼柵公開講座(横手市)

 平成29年9月9日、秋田県横手市にて「平成29年度後三年合戦沼柵公開講座」が開催され、青木豊教授、有元修一講師(目白大学教授)、中島助手が講演を行いました。今回の公開講座は、大学院専門・特殊実習にて企画・展示施工を行った横手市雄物川郷土資料館の特別展「和鏡の文化史ー黒曜石の鏡から魔鏡までー」に関連する事業であります。

 当日は、9時30分に開場し、10時より青木教授による特別展のギャラリートークが行われました。今回のギャラリートークには、当初の予定を大幅に超える人数が集まったため、展示室内では開催することができず、館の入口にて講義を行う形を採りました。
ギャラリートーク風景

 11時より、鏡の鑑定会を開催しました。これは、青木教授が鏡の専門家であること、また今回の展覧会テーマが和鏡であったため開催されたものです。今回は、事前に鑑定会の告知をし、当日持参していただいた鏡を横手市教育委員会職員が記録を取ったのち、公開鑑定の形で鑑定会を行いました。
 記録撮影風景
鑑定会の様子

 午後1時より、公開講座が開催されました。まず、中島助手が「太刀と大刀ー古墳・古代の刀文化ー」の題目で、刀剣に関する講演を行いました。今回は、刀の持つ武器以外としての機能に着目し、太刀の成立に至るまでの刀文化を紹介しました。
 後三年合戦沼柵公開講座 題目
 公開講座風景
中島助手 講演風景

 続いて、目白大学の有元教授より、「絵巻物に見る前九年・後三年合戦」と題する講演が行われました。本講演は、当該地域にゆかりの深い「後三年合戦」について、その様子を今日に伝える「絵巻物」に焦点を当てて詳細に解説したものです。有元教授からは、絵巻物に関する基本的な内容から、前九年・後三年合戦絵巻を含めた広範な内容の講演をいただきました。
有元教授 講演風景

 本公開講座の最後の演者としまして、本学青木教授による「鏡と信仰」が講演されました。今回は、開催中の展覧会に合わせ、鏡の成立から和鏡への変遷を紹介した後、鏡の持つ役割・意義について詳細な解説をいただきました。また、日本だけでなくトルコやインドネシア、韓国、中国など海外の事例も豊富に盛り込んでおり、鏡について多角的に知ることのできた講演であったと思います。
青木教授 講演風景

 今回の公開講座は、地域ゆかりの後三年合戦と特別展を絡めたものでありましたが、鏡、絵巻、刀と多様なテーマで講演がなされたことが特徴的でありました。
 また、午前中の鏡鑑定会を含め、市外からも多くの方の参加をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。