2014年9月23日火曜日

平成26年度大学院専門実習 木島平村現地実習

 投稿が前後しますが、平成26年7月25日から31日の7日間の日程で、大学院専門実習を実施しました。実習地は、長野県下高井郡木島平村で、本年で5回目の実施となりました。本年は、教員3名と、博物館学専攻の大学院生7名、複専修の学生3名が参加しました。
 7月25日は、14:00に長野駅集合、16:00に宿泊施設である木島平村農村交流館に到着し、その後民具資料を収蔵している大町倉庫へ機材搬入を実施しました。夕食後には、翌日からの実習についてのミーティングを行いました。
 木島平村農村交流館
木島平村農村交流館 挨拶

7月26日は、8:30から作業開始しました。事前に大町倉庫内に大型収蔵棚が設置されていたため、民具資料を移動、分類配架を実施しました。また、27・28日にふるさと資料館でのワークショップを計画していたので、担当班はワークショップの準備・会場設営を行いました。
 大町倉庫 展示替え前
展示替え風景
ワークショップのための実験風景

 同日は、夕刻より木島平村 芳川村長とふるさと資料館 樋口館長による講話を開催しました。芳川村長からは、村の現状と今後望まれる姿について、樋口館長からは昨年開館したふるさと資料館についての講義を戴きました。
 左:木島平村 芳川村長
右:ふるさと資料館 樋口館長

 7月27日には、9:00より木島平村農村交流館でワークショップを開催しました。このワークショップは、昨年から続くイベントで、計画・準備・指導に至るまでのすべてを大学院生が自ら行うものです。本年は、模造弥生土器での米炊き体験と、勾玉づくりのワークショップを開催しました。
 米炊き体験は、木島平村の特産である米を、木島平村の著名な遺跡である根塚遺跡から出土した土器の模造で炊いて食べることを目的に計画しました。
 受付風景
 土器焼成実験
古代米の炊き上がり
昼食風景

勾玉づくり体験は、昨年度と同様に根塚遺跡出土の「く」の字勾玉を作ることを意図しました。まず、大学院生による講義を行い、その後各自製作を始めました。また、今回の体験には、本学広報課より取材があったほか、木島平村のローカル局よりTV取材がありました。
 勾玉講義風景
 製作体験風景

7月28日は、8:30から作業を開始し、大町倉庫での分類配架、ワークショップの準備・会場設営を継続しました。本年は、ワークショップを2日間開催し、同日は20時よりふるさと資料館でのナイトミュージアムを開催しました。本ワークショップは、夜の博物館を見学することで驚きと発見を創出するほか、夜間という時間帯を利用して古代~現代までの灯火具の実演・解説展示を行うことを意図しました。
 ナイトミュージアム風景
野外での灯火実験

 7月29日は8:30から作業を開始し、大町倉庫での分類配架を継続する。作業中に木島平村浦山副村長・樋口館長の訪問を受け、収蔵資料に関する説明や展示方針について指導を戴きました。また、倉庫を訪問された地元の方より、民具の名称や使用方法についてのレクチャーを戴きました。
 左:浦山副村長
 樋口館長による展示指導
民具の名称についてのレクチャー風景

 7月30日には、ふるさと資料館の展示改良を行う参考とするために、上越地域の博物館調査を実施しました。木島平村からは、根塚遺跡出土勾玉をはじめとして数点のヒスイ製品が遺存することから、その産地である糸魚川周辺域を調査し、周辺博物館での展示活用状況をふるさと資料館での展示の参考とすることを目的としたものです。
 午前中には、天然記念物であり、世界ジオパークに指定されている糸魚川周辺のヒスイ硬玉産地を見学しました。
糸魚川ヒスイ硬玉産地

午後より、糸魚川市に所在する「フォッサマグナミュージアム」と「長者ヶ原遺跡・長者ヶ原考古館」を見学しました。
 フォッサマグナミュージアム
 長者ヶ原考古館
長者ヶ原遺跡 復元住居

 最終日の7月31日は、8:00より宿舎の清掃作業を行い、12:00に長野駅に到着し、解散となりました。本年の実習により、大町倉庫の収蔵展示が暫定的ながら完了し、一般公開に向けて動き始めております。
大町倉庫 展示替え終了後

今回の実習では、土器による米炊き体験とナイトミュージアムという新たな試みを行いましたが、成功裏に終わることができました。大学院生たちも、ワークショップの企画、運営を実践することができ、今後博物館等で勤務する際の良い経験となったと思います。

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