2016年10月31日月曜日

国史学会10月例会

 平成28年10月29日の14時より、国史学会10月例会が開催されました。今回は、博物館学研究室が国史学会に入会して最初の例会で、当研究室の博士課程前期2年生の3名が研究発表を行いました。
 研究発表風景
10月例会研究発表題目一覧

 例会は、司会進行を務める当研究室博士課程後期3年の種井丈によって開始され、まず最初に國分梓による「福井県丹生郡越前町八坂神社十一面女神坐像の造像に関する一考察」が発表されました。
 司会進行 種井 丈(博士課程後期3年)
第一発表者 國分 梓(博士課程前期2年)

 続いて、下田夏鈴より「明治末期における坪井正五郎の人類学展示」が、さらに谷拓馬より「郷土教育と郷土博物館-大正・昭和を中心として-」が発表されました。
第二発表者 下田夏鈴(博士課程前期2年) 
第三発表者 谷 拓馬(博士課程前期2年)

 今回の例会は、初めての取り組みではあったものの、20余名の参加者を得て盛会のうちに終了することができました。3名の発表者も、実に堂々と発表しており、普段の研究の成果を公表できる良い機会になったかと思います。
 また、次年度の国史学会10月例会も博物館学の発表を行うことが計画されております。

2016年10月24日月曜日

平成28年度 全国大学博物館学講座協議会 東日本部会大会

平成28年10月22日と23日にかけて、全国大学博物館学講座協議会の東日本部会大会が開催されました。本年度は、神奈川県平塚市の東海大学を会場に実施し、加盟大学及び西日本部会長大学を含めた全69大学のうち42大学から65名の参加をもって開催されました。本学からは、青木豊教授と中島助手が参加しました。
 総会は、東日本部会長大学である桜美林大学の浜田弘明教授が開会の挨拶を行い、続いて委員長大学である東北学院大学の辻秀人教授、開催大学の東海大学 山田清志学長より挨拶があり開会されました。
 桜美林大学 浜田弘明 教授
 東北学院大学 辻秀人 教授
 東海大学 山田清志 学長
司会進行:東海大学 江水是仁氏

 まず、浜田教授より平成27年度事業報告があり、続いて事務局の黒岩友見子氏より収支決算報告を行われました。次に平成28年度の事業計画及び予算案、役員大学改選の審議があり、全会一致で承認されました。その後、平成28年度東日本部会研究助成の選考審議が行われ、日本大学理工学部登川幸生教授が代表を務める「大学付属博物館におけるMLA連携を意図した学芸員養成課程の教育に関する研究」と東京農業大学生物産業学部の宇仁義和准教授が代表を務める「ネットワーク型学芸員の活動アーカイブの作成と価値評価」が採択されました。
 さらに、平成27年度助成の成果報告として、本学中島助手が「学芸員養成上必要とされる基本文献の集成と博物館学史構築に関する研究」を、郡山女子大学短期大学部の桑野聡准教授が「短大の学芸員養成課程と地域博物館の連携のための実践的試み」をそれぞれ報告し、最後に次年度全国大会等の連絡が本部事務局より行われ、総会を終了しました。
 中島 成果発表風景
郡山女子大学短期大学部 桑野聡 准教授 成果発表風景

休憩をはさみ、14時40分より合同部会が開催されました。まず、日本博物館協会の半田昌之専務理事から、本年開催されたICOMミラノ大会と、平成31年に開催されるICOM京都大会への抱負について報告がありました。
 ICOMミラノ大会参加報告
日本博物館協会 半田昌之 専務理事

 その後合同部会が開始されました。今回の合同部会のテーマは、「新しい博物館活動に対応できる人材育成と課題-ジオパーク、エコミュージアムの活動事例から-」に設定され、金目エコミュージアム 米村康信会長、平塚市博物館 澤村泰彦館長、茅ケ崎市文化資料館 須藤格学芸員、日本エコミュージアム研究会 大原一興会長の4名より、神奈川圏でのエコミュージアム運営の現状について報告と意見が述べられました。シンポジウムでは、エコミュージアム・ジオパーク運営に関する人的問題が提起され、その上でどのような学芸員養成が求められるのかについて、積極的な意見が交わされました。
 金目エコミュージアム 米村康信 会長
 平塚市博物館 澤村泰彦 館長
 茅ケ崎市文化資料館 須藤格 学芸員
 日本エコミュージアム研究会 大原一興 会長
シンポジウム風景

 その後の研修会においては、各大学の担当者が個別に情報交換を行い、それぞれが抱える問題点などが話し合われた。
 今回の東日本部会大会では、それまであまり俎上に上ることのなかった自然科学系博物館を含むテーマとし、多角的な方面から事例報告とディスカッションが行われたことに意義があるかと思います。
次年度の東日本部会大会は、東京女子大学にて開催予定です。

2016年10月18日火曜日

于大方氏特別講義

 平成28年10月18日に、博物館学特別講義を開催いたしました。今回は、中華人民共和国西安市の于右任故居紀念館より于大方館長を招聘し、青木豊教授の博物館展示論の科目内で特別講義を実施していただきました。
 本講義は、二部構成となっており、まず西安を含めた中国の博物館の現状と課題について講義を戴いたのち、平成26年より継続して実施している中日博物館学学術交流団の成果についてお話しいただきました。
 特別講義開催教室(120周年記念2号館2202教室)
 右:于大方 館長、左:青木豊教授
于先生 講義風景

2016年10月1日土曜日

平成28年度大学院専門・特殊実習 波佐見町現地実習

 平成28年9月11日から一週間の日程で、平成28年度大学院専門・特殊実習の現地調査を実施しました。本年度は、長崎県東彼杵郡波佐見町を対象とし、同町内の地域文化資源の確認と、町内に所在する「橋の際資料館」の資料整理実習を中心に行いました。
 まず初日の9月11日は、 13:00に長崎空港集合し、15:00に調査を実施する「橋の際資料館」に到着、機材を搬入しました。そして、早速に民具資料の計測と写真撮影等を含む資料台帳作成を行いました。
 資料撮影作業
 資料整理・展示作業
記録・台帳化作業

 翌12日は、まず波佐見町教育委員会へ向かい、教育長にあいさつを行ったのち、教育委員会文化財保護係の山口浩一氏と中野雄二学芸員による講話を開催していただきました。
 右:波佐見町教育委員会 山口氏、左:中野学芸員
講話開催状況

 午後からは、引き続き橋の際資料館での民具整理作業を実施しました。
 9月13日、14日も引き続き作業を行い、夕刻にはほとんどの台帳化作業を完了し、その後資料館の展示作業と環境整備を行いました。
 翌15日は、今後の資料館展示の更新と発展を目的に、波佐見町内の地域文化資源の確認と、波佐見町に隣接し、同様に焼き物を町の主産業とする佐賀県有田町の博物館についての見学実習を行いました。
 波佐見町世界の窯広場
 波佐見町観光交流センター くらわん館
 佐賀県立九州陶磁文化館
 有田町歴史民俗資料館
 香蘭社 有田本店(古陶磁陳列館)
 波佐見町 野々川キリシタン墓地
 鬼木棚田
旧波佐見町立中央小学校講堂兼公会堂

 さらに、現在波佐見町が計画している博物館の外観を特別に観覧させていただきました。
(仮称)波佐見町歴史文化交流館 予定地

 9月16日は、長崎県北部地域の博物館を対象とした見学実習を実施しました。当該見学は、橋の際資料館展示の参考とすること、さらに現在波佐見町が計画している博物館展示の参考とするために、同県域の多様なのコンセプトの博物館を見学し、博物館の収蔵状態の確認や、展示の問題点を把握することを目的としたものです。
 今回は2台の車に分乗し、平戸市~佐世保市にかけての北部地域に点在する人文系博物館と史跡等の見学を実施しました。
 平戸オランダ商館
 松浦史料博物館
平戸市生月町博物館 島の館

 最終日の17日は、大学への機材返送のための梱包・撤収作業を実施しました。その後、教育委員会へ挨拶を行い、お昼頃に長崎空港に到着し、解散となりました。
 本年度は、前回までの長野県木島平村から場所を移して実施した初めての実習で、環境・設備等が慣れない中、学生達も積極的に実習に参加していました。今回行った実習では、主に民具資料の整理作業を実施しましたが、今回の成果は後期の授業内で精査を行い、波佐見町に還元する計画であります。