2017年9月19日火曜日

平成29年度後三年合戦沼柵公開講座(横手市)

 平成29年9月9日、秋田県横手市にて「平成29年度後三年合戦沼柵公開講座」が開催され、青木豊教授、有元修一講師(目白大学教授)、中島助手が講演を行いました。今回の公開講座は、大学院専門・特殊実習にて企画・展示施工を行った横手市雄物川郷土資料館の特別展「和鏡の文化史ー黒曜石の鏡から魔鏡までー」に関連する事業であります。

 当日は、9時30分に開場し、10時より青木教授による特別展のギャラリートークが行われました。今回のギャラリートークには、当初の予定を大幅に超える人数が集まったため、展示室内では開催することができず、館の入口にて講義を行う形を採りました。
ギャラリートーク風景

 11時より、鏡の鑑定会を開催しました。これは、青木教授が鏡の専門家であること、また今回の展覧会テーマが和鏡であったため開催されたものです。今回は、事前に鑑定会の告知をし、当日持参していただいた鏡を横手市教育委員会職員が記録を取ったのち、公開鑑定の形で鑑定会を行いました。
 記録撮影風景
鑑定会の様子

 午後1時より、公開講座が開催されました。まず、中島助手が「太刀と大刀ー古墳・古代の刀文化ー」の題目で、刀剣に関する講演を行いました。今回は、刀の持つ武器以外としての機能に着目し、太刀の成立に至るまでの刀文化を紹介しました。
 後三年合戦沼柵公開講座 題目
 公開講座風景
中島助手 講演風景

 続いて、目白大学の有元教授より、「絵巻物に見る前九年・後三年合戦」と題する講演が行われました。本講演は、当該地域にゆかりの深い「後三年合戦」について、その様子を今日に伝える「絵巻物」に焦点を当てて詳細に解説したものです。有元教授からは、絵巻物に関する基本的な内容から、前九年・後三年合戦絵巻を含めた広範な内容の講演をいただきました。
有元教授 講演風景

 本公開講座の最後の演者としまして、本学青木教授による「鏡と信仰」が講演されました。今回は、開催中の展覧会に合わせ、鏡の成立から和鏡への変遷を紹介した後、鏡の持つ役割・意義について詳細な解説をいただきました。また、日本だけでなくトルコやインドネシア、韓国、中国など海外の事例も豊富に盛り込んでおり、鏡について多角的に知ることのできた講演であったと思います。
青木教授 講演風景

 今回の公開講座は、地域ゆかりの後三年合戦と特別展を絡めたものでありましたが、鏡、絵巻、刀と多様なテーマで講演がなされたことが特徴的でありました。
 また、午前中の鏡鑑定会を含め、市外からも多くの方の参加をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

0 件のコメント:

コメントを投稿