2015年9月1日火曜日

平成27年度 第4回 博物館実習Ⅲ 関西地方

 大学院実習と日時が前後しますが、8月6日~9日の日程で第4回の博物館実習Ⅲ(地方博物館見学実習)を催行しました。今回の実習は「関西地方」をフィールドとし、3年生を中心に30名の学生が参加しました。
 一日目の8月6日は、9:00にJR京都駅に集合し、ミーティングを行った後最初の見学地である京都国立博物館へ向かいました。同館では、まず館長の佐々木丞平氏より歓迎のお言葉と館の概要説明を戴き、その後同館総務課の北條敦子専門員の案内でバックヤード見学をさせて戴きました。
 京都国立博物館 明治古都館
 京都国立博物館 平成知新館
 京都国立博物館 佐々木丞平 館長
 京都国立博物館 北條敦子 専門員
京都国立博物館 見学風景

 6日はその後、綾部市のグンゼ博物苑・グンゼ記念館、舞鶴市の赤れんが博物館、まいづる智恵蔵・市政記念館を見学しました。中でもまいづる智恵蔵では、改修工事中の舞鶴引揚記念館の資料を一部展示し、仮設博物館として機能していたことが印象的でした。
 グンゼ博物苑 ファッション蔵、新機能蔵
 グンゼ記念館
 舞鶴市赤れんが博物館
舞鶴赤れんがパーク 赤れんが工房・まいづる智恵蔵・市政記念館(手前より)

 6日は福井県の小浜市に宿泊したので、翌7日は同士に所在する福井県立若狭歴史博物館をまず訪問しました。同館では、垣東敏博副館長から館の概要と取り組みについてお話を伺った後、鯵本眞友美文化財調査員より展示室の詳細な解説を戴きました。
 福井県立若狭歴史博物館
 左:福井県立若狭歴史博物館 垣東敏博 副館長
福井県立若狭歴史博物館 鯵本眞友美 文化財調査員
展示室解説風景

 同館の見学後は、福井県から兵庫県にかけて日本海側を移動し、福井県の高浜町郷土資料館、兵庫県豊岡市の日本・モンゴル民族博物館、出石明治館、いずし古代学習館の4館を見学しました。
 高浜町郷土資料館
 日本・モンゴル民族博物館
 出石明治館
いずし古代学習館

 8日は、当初の予定を変更し、一館目として豊岡市の豊岡市立歴史博物館-但馬国府・国分寺館-を見学しました。同館は、本年4月より名称を新たにリニューアルオープンした博物館で、学芸員の前岡孝彰氏と文化財調査員で院友の西谷昭彦氏より、館の仕事やリニューアルについてお話を戴きました。
 豊岡市立歴史博物館-但馬国府・国分寺館-
前岡氏解説風景

 その後、朝来市埋蔵文化財センター古代あさご館を訪問し、田畑 基館長より収蔵庫を含めたバックヤード見学と詳細な館の解説を戴きました。同館は、展示施設を持つ埋蔵文化財センターであり、道の駅に併設されるという点が非常に特徴的でした。
 朝来市埋蔵文化財センター古代あさご館
 朝来市埋蔵文化財センター 田畑 基  館長
解説風景

 同日は、豊岡市より神戸市に向けて南下をし、その間に所在する丹波市の丹波市春日歴史民俗資料館・郷土資料館、および神戸市の神戸深江生活文化史料館と竹中大工道具館を見学し、大阪市に宿泊しました。
 中でも神戸深江生活文化史料館は、当該地域の「財産区」と呼ばれる組織が主体となって設置・運営を行っている特殊な館で、歴史的背景を含めた詳細な館のお話を館長の大国正美氏より伺いました。
 丹波市春日歴史民俗資料館・郷土資料館
 神戸深江生活文化史料館
中央:神戸深江生活文化史料館 大国正美 館長
竹中大工道具館

 最終日の9日は、宿泊地の大阪市から兵庫県の尼崎市へ向かい、まず尼崎市立文化財収蔵庫を訪問しました。同館では、学芸員の桃谷和則氏より館の概要と展示等に関する詳細な説明を戴きました。また同館は、非常に博物館学意識の高い人々が運営を行っていると看取され、郷土博物館として一つの模範となる施設であったと思います。
 尼崎市立文化財収蔵庫
 左:尼崎市立文化財収蔵庫 桃谷和則 学芸員
解説風景

 その後、近接する尼崎信用金庫の尼信会館と記念館、世界の貯金箱博物館を見学しました。
 尼信会館
 尼信記念館
世界の貯金箱博物館

 本実習の最後は、大阪府吹田市の吹田市立博物館を訪問し、学芸員の五月女賢司氏よりバックヤード見学や館の取り組みに関する詳細なご指導を戴きました。
 吹田市立博物館
 吹田市立博物館 五月女賢司 学芸員
バックヤード見学風景

今回の実習では、人文系を主体に考古・歴史・民俗・産業・美術などの様々な分野の博物館を見学することができました。特に今回は、同一分野に属する博物館を2館ずつ見学するようにコースを設定し、学生自身が博物館の良し悪しを比較しながら考えられるようにしました。この実習を通して、少しでも将来の職として学芸員を考えてもらえればと思います。
 次回は8月25日~28日にかけて、東北地方の博物館を見学します。

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